2005年に発売された、春樹さんの一番あたらしい短編集。
今までの短編集の中で一番好きと思うくらいよかった。
春樹さんの作品はクレッシェンド状態(<)に良くなっていると
私は思っている。
ベートーベンとかピカソのように才能(作品)が衰えることなく
ますます円熟していく芸術家。
そのためにはたくさんの努力や犠牲があってのことだろうけど。
ご本人も言っていたけど、
デタッチメント(関わりのなさ)からコミットメント(関わり)へ
作風が変わりましたね。
わたし的に簡単に言わせてもらえば
丸くなって、さらに広がりができて、あたたかくなった。
そして今日はこの「東京奇譚集」のなかの
「偶然の旅人」という章を紹介したい思う。
この短編は物語ではないし、エッセイでもない。
「回転木馬のデッドヒート」を思わせる短編だ。
「回転木馬・・・・」がどんな作品かというと
ある人の実際にあったオカルト的ではない、人生の中の不思議な出来事
を春樹さんが綴った小説というか短編集である。
ちなみに私はこの本がだーいすき。である。
その中の「タクシーに乗った男」なんかは私の心の短編NO.1だ。
この「偶然の旅人」も同じようにある人の不思議な出来事を
綴った短編なのだけど、その話の前置きとして春樹さん自身の
体験談があり、その冒頭で興味深かった一文がある。
僕がその手の体験談を座談の場で持ち出しても、手ごたえはあまり
芳しいものではない。
おおかたの場合「ふうん、そんなこともあるんですね」あたりの
生ぬるい感想で場が閉じてしまう。
笑。そうそう、そうなんだよねー。
私もそういう体験談を人に話したら「ふーん、そうなんだ」で終ったっけな。
春樹さんはそんな「チェッ」とした思いのリベンジとして自分の体験談
も織り交ぜたのだろうか?素晴らしく出来上がっている。
だので、私もリベンジしてみようと思う。
(私のとるに足らない不思議な体験談)
山の手線の電車にのっていたある朝、その時たまたまiPodで聴き、
流れていた歌の本人、畠山美由紀ちゃんがなんと乗ってきて
しかも私座っている目の前のつり革につかまってきたのだ。
(私はコンサートにもよく行くほどの彼女のファンだ)
今、頭の中で鳴っている曲を歌っている本人が目の前に
現れちゃったという何とも驚きの状況。
たぶん、おそらく、私は幽霊でも見たかのように美由紀ちゃん
を見ていたと思う。
彼女はそんな驚いたマナコで見つめられて怖かったのか
しばらくすると、ドア付近へ逃げ?次の駅へ降りていったのだった。
「私、今あなたの曲を聴いていたんです。」と
話しかけたかったけれどね。
と、こんなお話。
。。。「ふーん。」ですか?やっぱり。
でも実際体験したらすごいんだから。
そういう体験って「あぁ、生きてて良かったなぁ。」
と思う瞬間でもある。
平凡で単調な人生に彩りを添えてくれる瞬間とでも言いましょうか?
ロマンチックですね。私。(笑)
これを読んでくれたみなさんもそんな不思議な体験談はないだろうか。
私は決して、「ふーん。」とかで終らせず
その話に食いついていきますので
もしあったら、ぜひ聞かせて下さいね。
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